人気ブログランキング | 話題のタグを見る
「放浪息子」3巻を読んだ
放浪息子 3巻
志村貴子
エンターブレイン

発売日に買ったまま積んでいたのをようやく読んだ。

1巻では「様子見」、2巻では「なかなかやる…」と思ったが、3巻で確実に面白い漫画になりましたね。こちとら夢中になってドキドキしながらページをめくったデスヨ。1巻、2巻では「こんな優しいオトナに囲まれてヌクヌク育ったような最近のガキっぽいキャラには共感できねー」と引いている部分も多かったけど、2巻の途中くらいから大分引き込まれるようになってきて、この巻では最初からズッポシと。
登場人物が多くて群像劇みたいなところもあるんだけど、1巻2巻で主要キャラが大体揃ってみんな動き始めたってのが大きい。

思春期を前にした子供の描写がリアルで、昔の自分の気持ちを思い返させてくれる。
なんて書くと恥ずかしいキャッチコピーみたいだけど、これだけの登場人物をリアルかつ多彩な表現で愛すべきキャラとして立たせている手腕には脱帽ですよ。読者がどっかしら共感できるように出来ています。

俺の場合は、千葉さんと2巻で出番終わりかと思いきや3巻では名前まで出てきた無神経ないじめっ子に共感するところが多い。
千葉さんの周りとの折り合いの付け方や間が悪いところとか、いじめっ子のどうしようもなくガキで無神経なところとか、愚かに見えるけどあれはあれで全身全霊なところとかに、どうしようもなく子供の頃の自分を重ねる。

この時期の純粋さとか愚かさとか羞恥とかを読者を不快な気持ちにさせることなく、それどころかどこかヤサシイ気持ちで懐かしく思い起こさせるのが志村貴子氏の才能か。

しかし、この漫画の世界って基本的にヌルイんだけど誰も牙をむかないし裏切らない分だけ現実より残酷な気もするなあ。
by interstellar_dust | 2005-01-16 02:48 | comic
<< 新基準のパチンコを打ってきた 新番組「87% ―私の5年生存... >>