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スタンダール『赤と黒』
スタンダールの『赤と黒』、小林正訳の新潮文庫版を読みました。

中学生の終わりだったか高校生になった頃に一度読んだことがあるので、10ウン年ぶりに読み返したわけですが、今見ると下巻から登場するヒロインの片方、侯爵令嬢マチルドのツンデレっぷりが目に付きます。(なんて駄目な今の俺の目)
金髪で美人で自意識が高くて女王然としているんだけど、主人公に向かって主人になって支配してと叫んだり次の日はまた女王に戻ってたり。完璧なツンデレ。このひと頭おかしいよー。
主人公の冷酷かつ天然というキャラも話をややこしてるんですけどね。共に自意識の高い二人の散らす恋の火花が下巻の見せ場です。

この小説の主人公は立身出世の意欲に燃えた青年ではじめ町長の息子の家庭教師となり、やがて町長夫人(もう一人のヒロイン)と不倫関係に陥るのですが、町長夫人だけでなく教え子である息子達にも愛を感じている主人公を見ていると、『作者はやっぱマザコンのエディプス野郎なのかなあ?』と考えたりと色々な意味でなかなか楽しめる話でした。

人間がいてドラマがあって人間が構成する社会の猥雑なパワーがあって、やっぱこの頃のフランス文学は面白いわ。
by interstellar_dust | 2005-08-19 00:09 | book
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