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栗橋伸祐『まにぃロード』
まにぃロード 全3巻
栗橋伸祐
メディアワークス
月刊コミック電撃大王連載
(あらすじ)知識と行動力を兼ね備えたオタク少年が、秋葉原で赤字の電器店を経営する美人三姉妹を助けるためオタク向けショップに改装して、大手のオタク向けショップの若社長とオタク対決をする。

オタクを題材にした漫画です。

初っ端から『WL』(=ウォーターライン=喫水線の上を再現した艦艇模型)なんて濃いオタクの世界が繰り広げられます。WLという言葉は普通知っているものですか?俺は知らなかったです。(まあ俺はガンプラのMGとかPGがどういうものかも知らんのですが。)

WL、コスプレ、コミケ、フィギュア、ドール、UFOキャッチャーなど様々なオタク世界が濃い深く描かれていて、判らないなりに『んなもん普通知らねーよ』とツッコミ入れながら楽しく読めます。

UFOキャッチャーのように身近な題材を扱っても、描かれている攻略方法がマニアック過ぎて、読んでいるこっちには本当の話なのか漫画的な誇張なのか判別できません。『もう笑うしかねー。アハハ』深すぎるオタクの世界に自然と出てくる乾いた笑いがいっそ気持ち良い。そんな漫画でした。

『それが何の役に立つの?』と言われることが多いオタク的な趣味ですが、この漫画に描かれているオタたちは無駄に知識を集積しているというよりも、もっと深いところに行くために必要だから知識を身に着けていると言う感じで、漫画に鼻歌で知識を得る快楽に浸っている俺なんかは読後に居住まいを正しましたよ。

漫画オタ的に気になったところ。
主人公のキャラの造形とか大手社長とのオタク対決とか、読んでいてなんだかデジャヴュを感じたのだけれど、昔サンデーに連載されていた伊藤伸平『アップルシンデレラ』にテーマも話の構造も似ているんですね。アレはアイドルが題材だったけれど。オタクと言うものを早くからテーマにしてきた伊藤伸平は今こそ再評価されるべきかも。まあまだまだ現役だから再評価もクソもないか。
by interstellar_dust | 2005-08-08 22:47 | comic
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